鮨処なごやか亭

人生は心に描く「思い」によって決まる

今回は、人生の真理 ――人生は心に描く「思い」によって決まる  についてのお話です。

(この文章は平成15年8月22日「第11回盛和塾全国大会の稲盛和夫氏講話の一部抜粋引用です)

 

『 こころに何を描くか

人間にとって、人生にとって「思う」ということの大切さ、重大さについて、今日はお話をしようと思います、塾生の皆さんなら。「思う」ということはたいへん重要な意味を持つということを理解していると思いますが、かねてからこのことを一度まとめて話をしたいと思っておりましたので、私なりにまとめてお話しいたします。

心に描く「思い」「考え」「夢」「想像」「ビジョン」「希望」、あるいは心に描く「哲学」「理念」「思想」というものによってその人の人生は決まっていきます。それはこの現世に生きる上で、絶対的な真理であると思いますし、多くの哲人たちが我々に古から語りかけてきたことでもあります。(中略)

人は、諸行無常、波瀾万丈の人生を生きるなかで、幸運にも災難にも出会います。私はそれが幸運であれ、災難であれ、神が与えてくれた試練であろうと考えています。その試練が幸運であったときは、それを「ありがとう」と素直に感謝の心で受け止め、慢心せず、謙虚さを失ってはならない。その試練が災難であったときも嘆かず、恨まず、腐らず、ねたまず、愚痴をこぼさず、ただひたすらに明るく前向きに努力を続けることが必要です、ということも説いてきました。良いときも悪いときも、心のなかに悪い想念、悪い思いを抱かず、善き想念を抱き続けなければなりません。そうすることで、人生はさらに素晴らしいものになっていくのです。

 

常に心に善き思いを抱き続けるために

では、人間が、常に善き思いを抱き続けられるようになるためにはどうすればよいのでしょうか。そのためには心を磨き、魂を磨き、心を高めることが必要だと、私は言ってきました。

心を磨き高めるための一つの方法は、自分自身の理性でもって、人間としての正しい生き方、人間としてのあるべき姿を繰り返し、繰り返し、自分自身に訴えていくことです、これは、生きていく上でたいへん大切なことです。先賢の教えなどを通じ、常に自分自身に対して、誠実であれ、正直であれ、謙虚であれ、努力家であれ、人には親切であれ、公平公正であれ、正義を重んじ、希望に満ち、感謝の念を忘れるなと、理性で持って訴え続けるのです。そして、それが自分の身につくようになるまで、学び続けるという姿勢が、心を磨き、高めていくためには必要です。(中略)

二つ目の方法は、常に我々の心の中に出てくる、本能に基づく利己心を抑えることです。この利己心は、仏教では「煩悩」呼ばれ、その根源にあるものは、「貪」「瞋」「癡」といわれるものです。「貪」とは、自分だけがよければいいとして、際限なく貪ることです。「瞋」とは怒り狂うことです、「癡」とは、ねたみ、そねみ、恨み、つらみ、嘆き、腐る、不平不満を募らせ、愚痴るというように、愚かでものの道理を知らないことです。

本能心から出てくる、このような三つの煩悩を抑えることが、心を磨き高める二つめの方法になります、「貪(とん)」「瞋(じん)」「癡(ち)」が自分の心のなかに浮かんでこないように、常日頃からそれを抑えるように努めることが必要です。この「貪」「瞋」「癡」という本能に基づく三つの煩悩は、理性で抑えるというよりは、自分の魂の中心にある真我から出てくる意志、良心によって抑えていかなければなりません。本能に基づく利己的な心、煩悩を抑えていこうとすれば、心の中に空間ができます。その空間には、利他の心というものが自然に浮かんできます。利他とは、やさしい思いやりに満ちた心です。それが心のなかを大きく占めるようになっていくわけです。このやさしい思いやりに満ちた心が、心の大半を占めるようになるためには、その対極にある「貪」「瞋」「癡」という本能に基づく利己的な心を、真我から出てくる意志、良心で抑えていくことが必要なのです。

やさしい思いやりに満ちた心とは、美しい心であり、「真善美」を求める心です。また「愛と誠と調和」に満ちた心でもあります。そして、それがまさに利他の本質なのです。利他の本質は、世のため人のために尽くそうという心です。他人様のために、お客様のために尽くそうという心であり、我々が心に抱くべき「善き思い」のことです。』

 

心を磨き高めるための三つ目の方法は、次回の「フィロソフィの学び」においてご説明をさせて頂きます。

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